足るを知る
街中を歩くと、たくさんのお店に、たくさんの商品。
バブル期と違い、たくさんの買い物袋を持ち歩く人は少なくなりました。
けれども、お店を経営する側、製品を送り出す側は、
いかに他店や同じような商品より、より良い商品を市場に生み出すか、
それはそれは、必死になっておられるでしょう。
収入、利益を出さなくては、生活できないからです。
仏教の教えの中に、『足るを知る』という言葉があります。
欲を出せば、きりがありません。
蓄えが足らないと思えば、どれだけあれば満足するのか。
人間の欲には終わりがありません。
残業で深夜まで食事もせずに仕事をしている時、
誰かにもらったたった一つのアメ玉が、
とても美味しく、嬉しいと思うことはないでしょうか?
この一つをもらうことさえ、当たり前ではなく、
相手の心あってのこと。
それを、これだけじゃ足らないからもっとよこせとは言わないでしょう。
日々、当たり前と思っている事も、
今日、またこうして平穏に、過ごせる事に感謝する気持ちが持てれば、
心がとても豊かに満たされるものです。
高価な買い物をしても、高級なお料理を食べても、
自分自身の心のあり方次第では、心を満たすことはできないのです。
もう足りないと思うよりも、まだこんなにあると思う。
そんな風に思っていたら、いつも心にゆとりができて幸せを感じられるものですよ。