お墓参りの不思議ごと

そう言えば・・・の覚え書き。

令和3年の8月、新型コロナワクチンの2回目の接種が、お盆入りと重なりました。

今年のお盆は、じっくりご先祖様に向き合いたいと思っていましたが、2回目のワクチンは、副反応が出る方が多いらしい・・ということで、多少寝込んでもお盆休みと重なった方が、仕事を休まなくていい・・と、予定通り接種。

私は、高熱もなく、悪寒と倦怠感程度で、5日くらいで収まったものの、夫は持病があるため、副反応が、長引き、ついには、帯状疱疹まで発症。お盆休みは、とうとうお墓参りもできませんでした。

遅れ遅れで、ようやく8月の最後の日曜日、佐世保にお墓参りに出かけました。

ちょっと田舎の集落の墓地に、小さな昇り口から小道を登って行くと、突然

『助けてください。お願いします。』という女性の声。

もちろん・・・それは、姿亡き方の言葉

『えっ?誰? ちょっと待って』と私。

女性の声:還れなくなったんです。助けて下さい。

待ってたんです。でも、誰も来てくれなくて。

還れなくなったんです。

   私:どちらの方ですか?(と言っても、お墓ばっかりだし・・・)

女性の声:延命地蔵様のところです。

 

うちのご先祖様のお墓から、ふと目をやると、

直ぐそこにこちらを向いた小さなお地蔵様が祀られたお墓が1基あります。

よくよく見ると、五輪塔の形をした墓石には、梵字。

 

あー、この墓地の中に、たったひとつ、真言宗のお墓があったんですね。

全く気付いていなかった。女性の声は、こちらのお墓の方だったんです。

 

女性は、お盆なので、ご親族がお墓参りに(お迎えに)来て、お盆を楽しく過ごすことを楽しみに待っていたのでしょう。

でも、もしかすると、ご親族は新型コロナの影響で、移動を控えているのか、

または、体調を崩してしまい、足を運べなかったのかもしれません。

本当なら、お盆を家族とともに過ごし、送り火で彼岸に戻られてたのでしょうが、

とうとう会えないまま、彼岸に戻ることもできなかったみたいです。

 

私はその女性に、

『今年は、新型コロナウイルスという病気が流行っていて、みんな大変なんですよ。こちらに来たくても、来れなかったかもしれません。許してあげて下さいね。』

少しお話をして、お線香とともに、お経をあげさせていただきました。

その後は、何も言われていないので、あちらに還っていただけたかなと思います。

 

私たちも、今年はお墓参りが遅れてしまいましたが、お盆はやっぱり意味のあるお休み。

ご先祖様は、やはり、親族が足を運んでくれることを

心待ちにしておられるんだなと、改めて感じさせられた出来事でした。